シンポジウム in 九州を開催
初日は、これまでの取り組みで協力をしてきた全国各地のホームレス支援団体のメンバーも参加して、北九州ホームレス支援機構が市からの委託で事業を担っている自立支援センター、および団体で独自に運営する自立支援住宅を見学しました。同団体では、単に家のない「ハウスレス」の状態と、社会的関係性の絶たれている「ホームレス」とは違うという認識に立って、野宿(ハウスレス)からホームの回復に至るまでの「トータルサポート」をめざして取り組んでいます。自立支援住宅では、主に65歳以上の高齢者が生活保護を受けて暮らしています。支援団体のスタッフのサポートのもとで、地域での自立生活にむけて、音楽療法や、食事改善などの生活支援プログラム、入居者全体での交流活動などにより、6ヶ月間を過ごします。これまでの5年半の間に87人がこの住宅を経て地域に暮らし、その後も互助会を結成して交流を続けています。見学時には、支援プログラムの内容や自立を果たした方の話も聞かせていただきました。
二日目は、北九州国際会議場においてシンポジウムを開催し、全国のホームレス支援団体、虹の連合調査を担っている大阪就労福祉居住問題調査研究会(代表水内俊雄大阪市立大学教授)や虹の連合の関係者、および地元団体の支援者、市民など、約150人が参加しました。
はじめに、主催者を代表して、松岡徹参議院議員があいさつ。「ホームレス問題は社会の様々な課題や矛盾が集中的に表れている問題。国の調査が官僚レベルで進められ、結果が都合よく利用されて、ホームレス自立支援法の期限切れ後には何も手だてを講じないということになってはならない。法が切れたとしても、一般施策の中でホームレス自立支援が明確に位置づくように方向づけていくためにも、この調査で力をあわせ実態をしっかりつかんでいきたい。ホームレス問題に無関心な政治状況も変えていきたい」と抱負を語りました。
地元協力団体を代表して、北九州ホームレス研究会の稲月正北九州市立大学教授は、「調査は正確な実態認識に基づく施策の展開のために重要であり、日本社会の格差や不平等や、希望を生み出す構造が社会にあるのかどうかを問うことにもなるのでは。また全国各地の状況は様々で、支援団体や行政が試行錯誤の努力のなかで地域それぞれの仕組みをつくっているが、効果的な施策の中には他の地域に反映できる普遍的なものも見いだせるかもしれない」と調査の意義を語られました。
シンポジウムでは、まず、九州の都市の現場からの発題として、福岡、久留米、北九州、熊本、鹿児島の6つのホームレス支援団体から、それぞれの都市でのホームレス問題の現状や課題、団体の活動などが報告されました。
つづいて、大阪就労福祉居住問題調査研究会の水内俊雄さんから、調査の経過報告として、虹の連合調査が取り組む野宿を脱した人々の調査、支援団体調査、野宿者調査の三つの調査の中身の進捗が報告されました。支援団体調査では、全国各地の都市と支援団体を訪れてきた中で見えてきた様々な現状分析が報告されました。
また、冨田一幸事務局長が虹の連合調査の取り組みが今後めざしていく政策提言の骨子について、公民の協働や、人材の育成、自立者の互助組織やまちづくりなどについて提案し、シンポジウム報告者や会場からの意見を交流し、シンポジウムを終えました。
また、北九州のホームレス支援に関わって、このシンポジウムの直前に発刊された『ホームレス自立支援〜NPO・市民・行政の協働による「ホームの回復」』が紹介されました。
(シンポジウムの詳細は、後日掲載予定)
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