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2006年3月 7日 (火)

2・26シンポジウム詳細

「07年ホームレス全国調査を問うシンポジウム in Osaka 〜自立支援法の中間年にあたって」

開会あいさつ(虹の連合特別代表・参議院議員 松岡徹)

 予想を超える多くの方の参加いただきました。有り難うございます。
 2年前の参議院選挙の際、日本の国を人権政策の確立した国にしていこうという政治家がいてもいいのではないかと、様々な分野の方々が「虹の連合」ということでご支援していただき、当選させていただきました。今年の1月に行いました新春の集いで集まった浄財の一部を是非とも、虹の連合の重要な人権活動の一つとして、ホームレス問題の調査に使っていきたいと考え、取り組むことになりました。
 自立支援法ができて5年、法そのものが実態にあわない法律で、大きな効果を上げてこなかった。それでもこの法は存在し、法期限内に実効ある施策を確立していきたいという思いがあります。そのためにもホームレスの実態をつかんでいきたいと思います。
 私たちは、ホームレスとは、路上で暮らす人のみでなく、かつて路上にくらしていた人々や、今後、その不安をもっている方々をも見て、実態をつかんでいきたい。これまでの国の施策が効果を上げてこなかったのは、ホームレスの「人」、「人間」を捉えていなかったからではないかと考えています。
 私は釜ヶ崎と同じ西成の被差別部落に生まれ育ちました。参議院議員になる前、市会議員選挙のとき、釜ヶ崎で座談会をし、ホームレス問題について地域住民と対話したことがあります。その方々はホームレスの人々を排除するのではなく、共存できるまちづくりを考えていました。まちづくりを考えるとき、ホームレスのいない町をめざすのか、ホームレスを支援するまちをつくるのかというのは大きな違いがあります。
 今、社会の格差が深まっています。労働者の33%が派遣労働者で、そのうち8割は月収20万円以下です。その中で国民健康保険料を払えず、医療を受けられない人が年間30万軒出ています。小泉政治による格差社会、競争社会の中、いつでもホームレスになりうる人が出てきています。そのような社会状況を含めて、様々な観点で見ていかねばならない。調査では、当然、人権問題に関わり、プライバシーに触れることになりますから、信頼関係や人間的なつながりが不可欠となる調査です。上から降りてくるというような調査ではなく、支援団体、NPOの皆さんとのつながりをもとに、国や行政ではできない調査を、いわば縦軸に対する横軸の調査を実現し、自立支援法に反映させていきたい。
 私は民主党に所属し、どうしても政党色が出てしまうかもしれません。しかし、民主党の政策にはまだ人権の視点が不十分であるとも思っています。
 今日はスタートの集会です。党派や様々な意見の違いを乗り越えながら、しっかりとした実態調査にしていきたい。ご協力をお願いします。


基調提案(私たちのホームレス全国調査の提案)

富田一幸(虹の連合)

 今日の発題者とともにたたき台をつくったものをメモとして用意しました。
 今回提案する調査は、松岡議員のあいさつにもありましたように、政府が来年行うホームレス全国調査に対するいわばカウンターレポートとして、我々の側の調査をしたいということです。厚生労働省は、来年1月〜2月にホームレス自立支援法5年の中間年にあたり全国調査を実施します。それを受け、8月には法の規定の見直し、その翌年の7月には、支援法に基づく「基本方針」の見直しを行うことが明らかにされています。ちょうどこれから一年後のことで、我々もこの1年の期間に合わせて取り組もうということです。
 この4年、何が変わり、そして、何がわかったのか。国の調査は定点観測として全国各地で調査し、ホームレスの数が一割や二割減ったという結果を出すのかもしれません。しかし、むしろ大事なことは、この4年、法律ができたにもかかわらず、なぜ依然として数多くのホームレスの人々がいて、問題が長期化し、また、新しくホームレスになる人々もいるのかということです。法律や制度は無力なのか。法を見直さねばならないのではないか。単に法律を延長しただけではいけないのではないかという問題意識です。
 一方、数年前から政府や自治体の政策に変化が見られます。提案をすれば、昔のように冷たく扱われず、受け入れられるのではないかという変化です。また、私の地元西成を見ても思うのですが、住民との関係においても、コンフリクト(摩擦)や対立から、対話や協働の可能性が見えてきたのではないか。ソーシャルイン・クルージョン(社会的包摂)などの考え方が出てきた。嘆きあきらめる問題から、共生のまちづくりの可能性をさぐることのできる状況が見られる。先日、北九州にこの調査の協力依頼に行った際にも、力強いNPOや市民の活動が育っていることに大きな変化を感じました。
 私たちの調査で、国の調査をどう補完するか。調査というよりは対話というコンセプトを出したい。例えば、はじめて路上に寝た夜の苦しみや思いに迫りたい。また、統計より人、人間に着目したい。そして、ホームレスという状態だけではなく、人間的なつながりを重視し、状態と関係とをクロスさせたい。
 さらに、西成などで顕著な経済の「ブラックマーケット化」の問題があります。例えば西成で給付されている生活保護の500億円はどう地域に還流しているのか。例えば、安い値段でも栄養バランスを考えて食べられる食堂が育たず、コンビニや飲み屋、医療機関だけが増えるというような経済のありかたを見る調査ができないか。
 さらに、やってあげる、やってもらうというホームレス支援のあり方から、こんな社会をつくっていく、こんなことをやっていこうという提案ができないかということを話し合ってきました。
 どんな施策に先立つ、どんな社会をめざすのか。ホームレスの根本的なとらえ方の違いとして、ホームレスのいない社会をめざすのか、それとも、やさしい社会をめざすのか、を問いたい。
 住宅、仕事、あれこれの施策に偏りすぎた嫌いはないか。社会的包摂、共に生きることができる、もう一度やり直せるという関係をつくるところに、新しいソーシャルワークを支援法によって認めさせ、社会的認知を勝ち取っていくことが大切ではないか。
 自立支援法には、NPOとの役割を重視すると明記されているが、セーフティネットからトランポリン、つまり、保護という観点から押し上げるような機能をもった仕組みへと変える。それは、官ではなかなかできない、民は動かないのではないか。NPOなど、新たな公というか、第3の道、新しいファクターの役割に注目することが必要ではないか。
 ブラックマーケット問題はまちづくりの視点で、福祉施策が再びそこにホームレスを生み出さないために、ホームレスの予防、あたらしい経済、社会のあり様を発信できる、まちづくりの視点が必要ではないか。
 そこで、この調査のポイントとして、一つは、対話と提案。調査というより対話、提案がでてくるような調査にしたいということ。
 二つ目に、今ホームレス、かつてホームレスだった人、ホームレスになる不安を抱えた人の三つの範疇をカバーし、トータルにホームレス問題に迫る調査にしたいということ。
 三つ目に、中間年によって、ホームレス問題が政治の片隅から真ん中へ置かれること。格差拡大社会といわれる今の世の中で、この問題が、今後の市民のコミュニケーションの議題となるようにしたいということです。
 調査の設計については、全国各地で形成されてきた市民活動との対話・ヒアリングを最初に予備調査として行い、調査の骨格をつくりたい。厚生労働省調査の対象数2000人に対して少なくともその半分を目標に、1000人との対話をホームレスの三つの状態を観点に行いたい。
 二次調査として、市民の提案で、ネット上での提案、あるいは調査用紙の中間報告を配布して、それに対する意見、提案をいただく。あるいは全国各地のイベントや取り組みの取材等により、市民の提案を形づくっていきたい。
 「ブラックマーケット」実態調査は付属調査として、時間をかけて案をあたためたい。
 調査実務は、水内先生が代表をされている大阪就労福祉居住問題調査研究会に委嘱し、現在、調査用紙の作成を急いでいる。
 12月に調査発表をし、政策提案につなげたい。
 実施主体は虹の連合として、調査の趣旨を理解し共鳴いただける広範囲の市民団体の皆さんに参加いただきたい。
 自治体の協力も不可欠で、要請したい。また、部落解放同盟や部落解放共闘などのネットワークにも呼びかけ、国の調査規模に対抗できるよう、ボランティアの結集を募りたい。
 この提案に対する皆さんの意見を受けてあたためていきたいと考えています。


シンポジウム

司会・コーディネーター(稲見哲男前衆議院議員)
 民主党の稲見哲男です。私は、2003年に衆議院選挙で当選し、社会的に弱い立場の人たちの目線に立って政治を変えていきたいと考え、わずか1年9ヶ月ですが、国会のなかで活動してきました。民主党のなかで、今日のシンポにも出席している辻恵、中川治前衆議院議員らとともに、民主党ホームレス対策ワーキングチームを作って活動していました。大阪府連のホームレス問題対策本部でも活動しています。今日は、とりわけホームレス支援の現場で苦闘している皆さんの生の声を反映し、今回提案されている実態調査を成功させたいと心から願っています。今日は、その事前調査・ヒアリングのきっかけとして、シンポジウムという形で意見を集約しようということで開催しました。ここからみんなの力でつくっていきたいと考えています。
 今、富田さんからありました調査の提案について補足する形で何人かの方から発題をしていただき、その後、皆さんとご意見を交わしていきたいと思います。まずは調査の中身について、大阪市立大学の水内先生から発題、提案いただきます。よろしくお願いします。


発題 水内俊雄(大阪市立大学教授)
 今回提案され、依頼を受けた調査は、まさに壮大な調査であると思います。調査の特長としては、一つは「対話と提案」ということです。厚生労働省の予定している調査も、おそらく野宿生活者への聞き取りを中心に、野宿生活者の数が何人いるのか、数値化をめざすものでしょう。また、シェルターなどに避難した方々についても聞き取りをするかもしれません。それに対して我々の側の調査は、調査員がその場で聞いて数値化するだけではなく、そこから対話、さらにはアクションにまでつなげていく仕組みにしようというものです。そのためには人間的な信頼関係が必要でしょうし、ていねいなフォローアップも重要です。
 次の特長として、調査の対象として、現在野宿をしている人だけではなく、かつて野宿をしていた人、さらには、野宿になるのではないかという不安を抱えた人まで範囲にいれようというものです。本当にできるのか、あるいは、どんな調査になるのか、私自身不安です。私は、大阪では6000人ほどの方が畳の上に上がり、新たに4000人ほどが野宿になったと見ています。ですから、もちろん野宿に戻られるケースもあるものの、かなりの方が一旦畳の上にあがったという実態がありますので、かつて野宿をしていた人についても一定の聞き取りは可能ではないかと思います。厚生労働省の調査は野宿の現場を中心に調査するのに対して、私たちは、脱野宿、野宿に不安を抱えた人々の範囲までカバーしようという調査設計です。
 さらに、こういう性格の調査ですから、関係団体との対話がなければ、できないでしょう。そこで、ホームレス支援に関わる団体や人々についての予備調査も必要ではないかということです。これら三つの特長があるわけです。
 調査の中身についてですが、当初は2000人を対象目標にするということで依頼を受けていましたが、それはあまりにも厳しいのではないかと考え、概算して1000人としました。ある市に100人の野宿生活者がいるとして、5人の野宿生活者、5人の脱野宿生活者に、その地域の支援団体と連携しながら聞き取り調査をすると仮定し、現在の大まかな案として、私の知る範囲で、北海道の旭川から沖縄の那覇までの都市で割り当ててみました。その中で、はじめて路上で寝た夜の思いを語ってもらうというような、臨場感をもった、記述データを分厚くする調査にするということです。さらに、その結果をホームページ上で出しながら、ホームレスと市民の関係性について、市民と意見交流もしようというものです。さらには、「ブラックマーケット」に関する調査もあり、非常に多岐に渡るものです。
 今回は、厚生労働省の調査と異なり、テントをはっている定着型だけではく、動いている流動型の方の調査もしてほしいと依頼されています。これも大変なことかもしれません。大阪などの大都市ではある程度の体制はとれるとは思いますが、とくに支援団体や社会的資源に乏しい地方都市では、調査体制を組むときに未知の部分があります。同じ調査票のフォーマットで質問できるかどうか検討が必要です。
 資料に、調査票の案として、「野宿現場」と「アパート現場」の二つの調査項目を挙げています。「アパート現場」とは脱野宿の方の調査で、おそらく「野宿現場」とは異なる設計の調査になります。そこには自立支援センターや、アセスメントセンターを入れるべきか、よくわかりません。
 「野宿現場」の調査票ですが、対話を重視する調査であれば、調査票に出生地、職歴、生活歴などを聞く項目ははたして必要かどうか、ご意見を伺いたいと思っています。厚生労働省の調査は間違いなくこれらを聞いてくると予想されます。例えば、前回の厚生労働省の全国調査では、路上でどう生活しているか、どういうニーズがあるか、健康状態はどうか、福祉制度は使われているか、「自立」についての考え、野宿になったいきさつ、生活歴等々を聞いています。私たちの企画する調査では、何を聞くべきか。今野宿していること、野宿に至る過程、支援団体との関係、行政からのアプローチ、行政に訴えたときの行政の対応、被害や加害、地域住民とのつきあい等々、この辺りから様々な関係性を多面的に浮かび上がらせることが重要なのかなと考えています。これらの趣旨を調査設計に反映するときに、どこに主眼を置いたらいいのか、決めがたいところがありますが、支援団体や行政との関係は聞く必要があるかと思います。皆さんのご意見をいただきたい。
 「アパート現場」の調査票のほうは、なぜ野宿をやめる決断をしたのかというところから、今のアパート生活にいたる実態までを聞くような調査になろうかと思います。大部分の都市では、支援団体が中心となっておこなっている訪問活動やアフターフォロー活動の一環になるのではと思います。訪問してお話を聞く関係性づくりの調査という形で、さまざまな社会的資源の利用の実態や、行政・民間・NPOが存在するなかで、地域でどのように過ごしているかを質問する形態になるかと思います。関係性をもてた人だけを恣意的に選んで聞き取ることで、統計的に全体の野宿生活者の意見を反映することになるのか、統計のバイアスが気になりますが、それは仕方がないという主催者の意向もあり、関係づくりと対話を重視するということになります。「野宿になる可能性のある人」の調査項目はどうしたらいいのか、つかみきれていないので、皆さんからご意見をいただければと思います。
 全国の野宿生活者の支援・サポートに携わる団体への事前調査をして、調査設計ができれば、調査をお願いし、フォローアップしていく予定です。ただ、まかせっきりや丸投げは良くありませんので、連携しながら、お互いが状況を把握し、共有することが必要かと思います。支援団体のリストアップについては、私たちもすべてを把握している訳ではありませんので、抜け落ちている団体や、各都市での動きについての情報があれば教えて下さい。
 また、これら支援団体への何らかの調査フォーマットも必要かと思います。ちょうど今、大阪市へのカウンターレポートの作成のために支援団体の聞き取り調査が準備されていると聞いています。何らかの参考になるのではないかと思います。
 参考までに、西成区の生活保護受給者2500人の聞き取り調査に関する資料をつけています。3月末で結果が正式公表されるものです。あいりん地区の特性を除いて考えても、ここでは、まちづくりの視点に関わって、地域生活のつながり、社会参加についてのヒントになる設問がいくつかあります。
 調査結果のリーフレットにあるように、生活保護受給者の36%が野宿経験者であることが調査でわかりました。かつて野宿をしていた一人住まいの方の状況、とくに高齢者の問題が気になります。60歳から64歳の高齢者の生活保護の受給者が増えた背景には生活保護の運用範囲が広げられたことがあります。この方々の大半は病気で健康を害した人が多く、運用で救われた実態があります。このような運用が全国で広がっていない状況で年齢の問題をどう見ていくのか。調査の仕方によっては高齢の単身者の方だけに聞き取りに行くということも考えられる。
 地方都市の場合、アパートに上がっているのは、いまの自立支援システムの中では、おそらく生活保護なのかなと思います。支援組織がなく、たまたま福祉を通じて生活保護にあがった方の状況は実はよくわかっていません。例えば、富山県に聞き取り調査に行ったことがあります。富山県は生活保護受給者の最も少ない県で、生活保護受給者への排他的な風潮があり、大都市と事情の違いがあると感じました。地方都市と大都市向けとは異なる調査項目が必要かもしれません。大阪においても、岸和田市や交野市のような都市では、昔からある地域で長く野宿されてきた方と、比較的最近になって野宿しはじめた方がおり、一概に同じ扱いで良いとはいえません。
 先ほどの調査結果に戻りますが、野宿から生活保護に上がった大部分の人は新しい住居で暮らしはじめてまだ期間が短く、ほとんど地域に根ざしていないということが特質であることがわかります。周りのことをほとんど知らない状態で60歳を超えて一人で暮らし始めるという状況です。
 施設の利用度は高いですが、更正・病院・救護の利用がとくに高い。これは西成の特質かと思いますが、全国で調査したときに、病院などの施設と野宿とアパート住まいの相関関係をもった厳しい事例をどう浮き彫りにするのかも課題です。
 人的ネットワークの項目では、近隣、友人、相談相手の有無をたずね、いずれもないという方が約2割、すべてあるという方が約3割という状況でした。ただしこれは野宿生活者の調査ではありませんので、野宿生活者の場合の人的ネットワークはその地域においては非常に小さいということです。
 就労意欲については総じて高いが仕事につけない実態があります。
 また、今日は時間がなく詳しくお話しできませんが、資料には、東日本の宿泊所の実態についての資料があります。東京23区で7000ほどのベッド数があります。とくに関東エリアでの調査は、宿泊所で過ごされている脱野宿の方の現状を見る必要があるのではないかと思います。一人部屋で住んでいるのは4分の1以下です。6畳の一部屋にベッドが二つから三つというのが標準で、私が見学した中では、一部屋に20ベッドある場合もありました。これが公的な企業組合の経営している宿泊所であると知って驚きました。例えば、S社の経営する宿泊所では、利用者の3割が「自立」ということで退所している一方で、失踪や強制退所が全体で4割ほどあります。宿泊所にはいろんなタイプがあります。宿泊所経営のメリットがどれほどあり、今後増えるのか減るのかはわかりませんが、いずれにしても、これら中間居住施設の調査は、厚生労働省調査では行われないでしょう。宿泊所の実態も注目すべきです。
 自立支援センターのアフターフォローの用紙についても参考につけています。
 以上、調査フォーマットについてお話ししました。皆さんのご意見をいただければ幸いです。


発題 福原宏幸(大阪市立大学教授)
 調査の中身については、水内さんから詳しく説明があったと思います。私のほうからは、今回企画されている調査の意義を私なりに整理して、簡単にお話ししたいと思います。
 政府は、ホームレス以外にも、社会的困難を抱える人々、たとえば、シングルマザーや、広くは生活保護受給者に対して、「自立支援」という言葉を冠としてかぶせて、「自己責任」を追及するような政策を展開していると私は考えています。それに対する対案、オルタナティブな提案が求められている時代状況であると思います。ホームレス問題でいえば、自立支援法の見直しが政府サイドで進められていますが、これを異なる観点で整理しなおし、調査のあり方や実態に対する政策を提言するということが求められているということになります。今回企画されている調査は、ホームレス問題に限らず、日本社会の諸々の困難を抱える人々への施策のあり方や、ひいては日本社会の仕組みを問うものとして、大きな意義がある取り組みだと思います。そう認識いただきたい。
 ヨーロッパなどでのホームレス支援を見ると、日本よりも先進的で学ぶべきものがあります。とくに、ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)の観点からホームレス問題が語られています。イギリスやフランス、ドイツ、それぞれに違いはありますが、基本的には、所得保障だけではなく、当事者が主体性をもって社会、また、制度と関わる。これは近隣や家族、あるいは仕事を通じて関わる。そういう仕組みがきめ細かくできているということです。そして、それを支える人々、つなぐ人々が存在します。日本でいうソーシャルワーカーやボランティア支援団体が層厚く存在します。一般市民のボランティアとしての参加もみられます。こういった状況が日本社会でも実現すれば、社会の仕組みを変えることになります。そのような意義を踏まえて議論を深めてほしいと思います。

稲見
 調査の意義や対象、調査票の項目などについて発題していただきました。もう少し調査票の素案が具体的であればよかったのかもしれません。後ほど会場から意見をいただきたいと思います。その前に、自立支援法成立後の現場の状況や、どういう施策が必要なのかという視点で、会場とつなぐ形で、釜ヶ崎反失業連絡会共同代表の山田實さんに発題をお願いしたいと思います。


発題 山田實(釜ヶ崎反失業連絡会共同代表)
 私は、当初、自立支援法をつくるときにも若干関わってきました。いろんな問題がありますが、個人的には、バブル崩壊後の構造転換に伴う、ある意味で構造化している問題があると考えており、その問題解決をしっかり法に組み込んでもらいたいと言ってきた。就労の問題、住居の問題が大切だと。
 全国調査については、問題が全国均一化されてしまう恐れがある。とくに釜ヶ崎では、98年前後では野宿生活者の大半は釜ヶ崎から流出した日雇い労働者でした。近年では、畳の上にあがったり、亡くなったりしている。東京では日雇い労働者が新しいホームレス層として見られ、調査によってはとんでもない調査になってしまいます。野宿生活者が50人や100人しかいない都市も一緒にされて、日雇い労働者はわずか20数%ということになってしまい、既存の施策でいいだろうということで、箱物中心に自立支援事業というものが構成される。
 雇用対策にしろ、福祉対策にしろ、既存のしくみ、施策が有機的に機能しなかった結果、人が路上に落ちている。既存の施策では間に合わないがために特別措置法という形で施策を別個につくったはずが、既存のものに付け加えるだけという施策では限界がある。部分的には、自立支援センターでは、とくに若年層をていねいにフォローして改善が見られます。しかし、例えば大阪の6000人のホームレスに全層的に対応できていない。「自立」には10年かかるかもしれない。その間、路上で待機しなければならず、そのうち、足に根が生えて動けなくなる。ほったらかしにされ、不安の中でとにかく生活できる場所に居ることになる。私でもそうなるだろうと思う。支援策としては、箱物の中に入りなさい、あとはどうなるかわからないけど、まあ頑張れや、というしくみでしかありません。構造的に不安定就労から落ちてきて、資本の論理で「いらない人」とされた人をパートやアルバイトで押し込んでいくというしくみでは限界があります。
 そういうことを含めてどれだけ具体的に調査して、逆に提案できるのか。
 私は、とりあえずは緊急的に全員畳の上に上げるか、就労対策をうつしかないのではと思います。そうした中で個々の希望に応じて支援対策をうつのがベターだろうと。皆、働きたいという気持ちがあることは統計で出ています。とどのつまり人間働いて生きていく。それは単に収入を得るというだけでなく、働くことを通じて社会関係を成立させ、自分が社会の一員であることを認識する。先か後かは別にして、結局は就労という問題につきあたるのです。一旦は緊急的に畳の上に上がれても、一生そのままでおれないわけで、年をとってもそれなりに働けるしくみ、何らかの働く領域をつくっていかなければ、野宿生活者が滞留してしまいます。生活保護でやるにしても、生活保護でも滞留してしまう。
 生活保護など緊急的な福祉施策もしないし、仕事対策もしない。結果として、自立支援事業を軸にやっていますというポーズだけでごまかしている状態で、野宿生活者は路上で病気になって病院に運ばれたり、路上で亡くなっている。そういう構造が現実にある。つまり施策に実効性がないということです。そんな施策を規定しているのが自立支援法の基本方針ですから、それを転換していかねばなりません。
 調査をどうすればいいかについては私は専門家でないからわかりません。ただ、地方都市も含め全国均一化してやるのはだめだろうと思います。へんてこな施設をつくったりするよりは、まずは畳の上にあげて、そこからこつこつ支援をするのがベターだと思う。ただ、大阪の場合はそれが可能かということで、可能であればそうしてほしいし、できないのであれば、具体的な施策を考えてほしい。日雇い労働者が全国から不断に流れ込んでくる構造のあいりん地域を抱えているわけですから、それも含めて考えてほしい。お役人さんなどからは、「今の野宿生活者25000人を固定化するなら生活保護でもいいよ」と、例えばの話ということで聞くことがあるが、そんなことはできないわけで、今の社会構造では、次から次へと高齢者などが野宿に落ちてくるわけですから、社会的に包摂していかなねばならない。就労保障にしても生活保護にしても、野宿生活者が全員畳の上にあがってそれなりに生活を整えていける、そういう案を出していけるような調査を、厚かましいようですが、やっていただきたいと思っています。


意見交流

稲見
 すでに1時間半経過しています。実態調査にかかわっての議論ははじめてですので、最初から項目を絞らず、いろんな意見をいただきたい。それをうけて発題者の方々からもあらためてご発言いただきたいと思います。自立支援法についてどんなふうに思っているか、改善点は何か、さらに、提案された調査の意義、調査項目、対象、視点、体制など、様々な事柄があると思います。どこからでも結構ですので、ご意見を出していっていただければと思います。

○参加者
 釜が崎のNPOです。意見を述べようと参加しました。自立支援法の事業の成果があがっていないということで調査をしようということですが、考えなければならないのは、事業が基づいている自立支援法そのものです。あらためて法律自体、本当に具体性、現実性のあるものかを問いかけることが必要ではないか。私たちは、当初から自立支援法をつくることに反対でした。たとえば、基本方針では、生活保護の活用が自立支援事業とまったく並列に書かれている。私たちは、自立助長の法としてこの国がもっているのはまずは生活保護法であると考えています。また、11条の問題があります。先ほど行政と対話ができるようになったという話がありましたが、大阪の靫公園では行政による強制排除が行われた。名古屋でもあった。私はこれは権力の犯罪だと思っている。このような動きを見れば、まずは自立支援法そのものを問うべきではないか。

○参加者
 私は大阪城公園で5年間野宿をしていました。支援団体に相談し、今、生活保護を受けています。大阪城公園で相談活動をしています。調査をするといいますが、大変だと思います。病院へ面会にいったりしますが、なかなかうち解けてくれません。同じ人が聞き取りにいかなければ、人が代わるがわる聞いてもなかなか話してくれません。聞き取りの方法にはそのような点を注意する必要があります。

○参加者
 まちづくりの観点という話がでましたが、野宿生活者は、襲撃をうけたり、水やたばこを投げられたり、居場所から追い出されたりとかの被害を受けています。そういう項目も調査項目に必要かと思います。

富田
 野宿から脱出する際の恐怖、失うもの。それは自由なのか、仲間なのか。自立することで孤立することはないか。さらには、自立せよという過度の責任感やストレスを感じたりはしていないか。「野宿とは脱出するもの」ときめこんで調査すれば問題を逃してしまう気がしています。だから、野宿を状態とだけ見ずに、関係性のなかで見る必要があるのではないか。西成では生活保護に500億円が投入されて、その後にどんな姿が見られるか。例えば、どんな豊かで楽しい食生活が待っているか。依然、コンビニに行って、いやな思いをしているのではないか。もう一度がんばりたいと思えるまちをつくりたい。都市も地方も区別はしていない。質問項目によっては反応してくれる、導きだせるのではと思っている。

稲見
 人間関係のないところではうち解けてくれないという意見がありましたが、まったくその通りだと思います。全国で調査をする場合の体制の問題で、全国の支援団体、NPOに協力を依頼するとか、その辺りの案を具体的に話していただけませんか。

富田
 厚生労働省が調査する。それだけでいいんですかという問いかけがある。それを市民運動の方々に問いたい。どっちがいいとか悪いとかではなく、ちがう軸の調査があってもいい、それにより国の調査もりっぱになるのではという考えです。その意味で、調査項目ではできるだけ厚生労働省調査と重なる質問は避けてほしい。ホームレス問題だけではなく、部落問題にしても、本当に差別がなくなっているのか、市民の関係性のなかで考える問題であるからもっと考えてほしいと言うことができる。今日の格差拡大社会の中で、ホームレス問題における衝突、不幸に対し、部落解放同盟や解放共闘などにもよびかけ、支援体制をつくりたい。

○参加者
 部落問題の実態調査で、大きな団体や業者、大学生などが聞き取りに来て、調査される側の人がいやな思いをしたことをよく聞いたことがある。当事者にとって、人間関係の受け皿なしに話をするのは難しい。対話の方法について調査する側がしっかりレクチャーされていなければならない。今回の提案はすごいと思う。国任せではなく当事者の側に立って、違った形での調査に取り組もうという今日の提案や思いをうけとめて、当事者の内面をさらけ出すことが、人が生きることはどういうことなのかを考えようとしている。そんな調査のもつ夢や魂が聞き手にしっかり確保できるかが問われるのではないか。私の関わる京都のNPOでも、この調査に体制を組んで参画できないか、ぜひ提案していきたい。

○参加者
 東京で区議会議員をしていたとき、川沿いや公園のホームレスの実態を見せていただいたことがあり、その多様さに気づいた。洗濯物をきちんと干していて、仕事をすればきちんとする方だろうなと思ったりしました。しかし、意欲はあるが健康に自信のない人がいます。ですから、仕事への意欲の部分と、物理的な困難さがクロスした調査をしていただきたい。また、どのような職業を希望しているかという項目については、国の調査は職種で分けていますが、実際は、仕事のやり方や毎日の過ごし方の希望も多様であると思います。それは仕事とのマッチングとも関わってくる。その辺りで、国の表面的な調査に対して、きめ細やかな調査をすれば意義がある。

○参加者
 大阪の自立支援センターで働き、主に野宿生活をされている方と直接現場で関わる中で感じることを話します。開設から4年、以前に比べ入所者が減ってきている傾向が見受けられます。野宿生活に至った人は何もないところからではなく、性格上社会になじめなかったり、障害があって適応できなくなった人が多いと感じます。自立支援ということで箱物をつくったりして対応しているが、当事者は、野宿の場所を離れたくないという気持ちをもっていたり、就労したが、どこかしら不安があって、また野宿に戻ってしまうという状況があります。野宿生活者の心理面、メンタル面でのルートづけから方向性を導き出すことが必要ではないかと思います。また、センターに入られた精神障害や知的障害をもつ方の多くは、就労意欲があってもメンタル面で受けたダメージから、社会適応できない面があり、それを汲み取るような関わりが必要ではないかと思う。

稲見
 企画されている調査では、支援団体への予備調査が計画されています。ホームレス調査を依頼する際に、その調査の意義や調査項目を全国の支援団体の皆さんとともに議論した上で主体的に参画いただくという前提かと思います。シンポジウムも各地で開催するかもしれません。そうして体制をつくっていこうという発想です。ご意見にもあったように、大学生の調査員をアルバイトとして雇って聞き取りに行くというのは我々には財政的にも無理で、国の調査とは異なる視点と体制でやっていきたいと思っています。自らも汗をかくという前提で、意見を交流し、考えていただきたい。

○参加者
 中間年にあたって、まな板の上に上げられるべきは自立支援法そのものであると思う。東京や大阪などで、自立支援センターをはじめとする施策、制度やサービスがどれほど役だったか、野宿生活者や野宿を脱した方にまず直接意見をいただくべきです。対話のベースになるのは、この人々がどうしたいかという希望の部分であると思います。調査がそこに結びつくことが必要ではないか。また、調査の理念にソーシャル・インクルージョンが掲げられているが、1月31日に大阪の靫公園で行われた強制排除に触れないわけにはいかないのではないか。ソーシャル・インクルージョンというのであれば、この法の中に、排除を許さない、どこの公園にいても命と生活を保障する、そして社会的サービスや制度を利用できるようにするなどの内容を入れさせていくという視点も必要ではないか。

○参加者
 話が脱線するかもしれませんが、野宿当事者に焦点があてられる一方で、その家族はどうなっているのかが気になる。テレビ番組で、ホームレスになった家族の消息を探しているケースがあった。そんな家族もいるかもしれない。調査項目にそんな要素を入れてはどうか。

稲見
 「まな板にのるべきは自立支援法そのもの」という意見がありました。ホームレス自立支援法は10年の期限立法で、中間年での実態調査を行い、後半5年の施策の方向性を決めるということが法の中で明記されています。ですから、法のそのものをまな板にあげるという意味では、この4年間どうだったのか、現場で感じられたことを出して頂きたい。

○参加者
 生活保護の手続きでは、自治体の担当者は野宿者の出身地の家族に問い合わせをするが、それにより野宿をしていることが田舎の家族にわかってしまうことを嫌がる野宿生活者がいる。調査票の中に、そのような聞き取りが必要かどうかを知るために、家族に伝えるかどうかなど、本人の意向を聞く項目を入れておけば関連性も見えてくるのではないか。

稲見
 この辺りで、発題者の方にこれまでの意見を受けて発言していただきたいと思います。

福原
 いくつか意見をいただいて、感じた点を二、三お話しします。法律そのものが不十分で問題点のあることは私も感じています。今回、見直しの時期にあたり、我々がやろうとしているのは、実態を別の視点から見て把握し、対策を考え提示し、支援法そのものを変えていく提案をするという立場であると思います。
 強制排除に触れないわけに行かないということもその通りだと思う。どこで生活していようとも、制度やサービスを利用できるということは、ヨーロッパなどの国々では保障されていることでもあります。一方で、公園などでテントを張って暮らすことなどが規制されているのも事実です。河川敷で暮らしていたり、流動的であったりしますが、それでも生活できるのは、信頼できるNPOが日中、夜間と窓口になって野宿生活者と制度をつなげている関係があるからです。もちろん支援する側は常に路上生活は健康が害され、時には死に至ることもあることなので説得をしますが、そうする中でも、路上であっても生きる権利を認めていくことが大事であると考えている。私たちの調査でも、当事者たちの意見を拾い上げ、当事者の権利性を提示していくことも大事であると思っています。

山田
 強制排除の件は、結果的にそうならざるを得ない施策の貧困さがあると思う。行政としっかり話して、ねばり強く求めていくしかないということで申し入れにも行っています。路上であっても生きる権利を認めることは大切だと福原さんがおっしゃいましたが、運動団体が安易にそれを支持し、固定化させることも果たしていいのかどうか。私は、人間らしく生きることができるようにせよと、それなりの住居を要求するべきだと思う。「公園で居たい」という人も確かにいるので、その人たちの実際の意見をどれだけ集約できるかも大事だと思う。とくに公園でしか生活できない人にできるだけスポットをあて意見を集約することが必要かと思っている。

水内
 これまでの議論を聞いていて、今、感じていることは、これは調査というより一つの運動ではないかということです。調査なら調査期間から結果が出るまでかなりの時間がかかるのですが、運動と考えるなら、設定から実施まで、全体がオンラインでつながりながら、適宜展開していくものなのかと。この取り組みはどこかで一冊の本にまとめることになるかもしれませんが、どちらかというとプロセスが重要かという気がしています。ホームページなどで、同時発生的に各地の動きが展開され、意見が集約されていくように、調査のプロセスを共有できる形にした方が良いのではと提案します。
 それから、クロスをかけた質問をかけていただきたいという要望がありましたが、おそらく厚生労働省調査は日頃の生活の細かい要望についての質問項目を設けて聞くと思いますので、立体的に分かる結果を出すのは、厚生労働省の調査にお任せして役割分担をした方がいいと思っています。
 それから脱野宿の方の聞き取りについては、自立支援センターやシェルターなどの現場もやはり入れるべきかと思う。
 それから、当事者の側と聞き取る側の目線が合わないという問題に関しては、聞く側も成長しなければならないのではないか。いわば当事者と聞き手の双方のための調査ではないかというイメージをもっています。
 排除の問題に関しては、今回の強制排除の問題も、勉強不足のマスコミの記者が多くて、ステレオタイプ的なホームレス像が強調され、多様な野宿生活の形態が描かれていないと思う。公園に住んでいるホームレスの問題だけが大阪市の問題として見られてしまう。そうすると、ホームレスの問題の本質が見えなくなって、ますます隠蔽されてしまう。数字で言えば、道路と公園で生活する人々は大阪市でいえば約930人とされていて、その他約4000人は他の場所に住んでいる事実があります。そういうホームレスの実態も浮き彫りにしないと全体を見誤らせることになる。もちろん公園に住む方の心の吐露ももちろん重要ですし、いろんな方の実態がわかるような調査設計が必要かと思いました。

稲見
 パネリストの方から補足いただきましたが、最後に、特にこの点だけは、という方はご意見をお出し下さい。

○参加者
 野宿生活者支援のまちづくりが主な活動分野の団体に関わっています。私は、自立支援法の是非は別にして、この5年間、様々な官民の人々の試行錯誤のなかで、ホームレス支援のおおよそのノウハウは身についたのではないかと思っている。あとは実行すればいいということではないか。テントの数も相当減ってきているが、野宿で残されている人々の問題が残された課題です。なぜ野宿を脱しないのか、その分かれ道の部分について調査では聞き取っていくということかと思います。全体としては提案された調査票でいいのではないかと思います。
 強制排除は時代の流れに逆行するものです。先日あったような公園でホームレスが強制排除されていくというのは、大きな流れの中では、10年もたてばなくなるのではないかと思っていました。
 野宿を脱した人の、その後の地域への定着の問題では、今後もできるだけサービスの質を高めることが必要です。その活動は、ホームレスに限らず、全国の単身高齢者など社会的困難層の人々の問題に貢献できるのではないか。
 私が最近関心をもっているのは、これから質・量ともにもっと大きな問題になりそうなニートやフリーターの問題で、まさにダムが決壊しそうな状態で、それをどう予防するか。ニートだけで60万といわれる。我々は3万人のホームレスの問題でこれだけ苦労したが、ニートの10人に一人がホームレスになっただけで6万人になる。ホームレスにも若い層が既に入ってきている。そういう人たちを対象にした予防プログラムにつながるような調査にしてほしい。予防の対策が非常に重要だと思う。

稲見
 今日は、もっとたくさんの意見を出せたのかもしれません。今日のシンポジウムはこれからの取り組みの出発点とし、この後、このシンポジウムの結果を虹の連合のホームページでお知らせするとともに、どういう調査項目にしていくか、調査の中身や協力依頼のために、意見の双方向のやりとりや情報交流が必要で、そのためのツールをぜひ設定してほしいとお願いしておきます。今日出していただいた意見もこれから活かしていくということで、今日のシンポジウムを閉じたいと思います。どうも有り難うございました。

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